ファッションの科学 #011 ジャベリンボードで課題を洗い出す

こんにちはマスダです。

新しくファッションビジネスを始める人や、ファッションブランドを立ち上げたいって方の少しでも力になれればいいなと思い、ファッションビジネスを論理的に解説するシリーズ第11回【ファッションの科学 #010 カスタマージャーニーを作る】の続きです。

ここまでの#001〜#006では「アイデアの検証」#007〜#010では「課題仮説の検証」について話をしてきました、今回は「前提条件を洗い出す」について話していきたいと思います。

その中から今日は「ジャベリンボードを使って課題を洗い出す」という話です。

ジャベリンボードって何?

リーンキャンバスからはじまり、ペルソナ、カスタマージャーニーを作成するまでの一連の作業で課題仮説の具体性は出来上がってきたんではないでしょうか?

ここまでにできた課題仮説をより深掘りしていくために使用したいのがジャベリンボードです。

ジャベリンボードは「カスタマー」「課題」「ソリューション(解決法)」「前提条件」をセットにした仮説に、実際にカスタマーへのインタビューを通じて課題とソリューションの妥当性を検証作業を可視化していくためのツールです。

以前にも話しましたがファッションブランドだけでなく、ビジネス・サービスを突き詰めると、「誰の・どんな課題を・どうやって解決するか」、すなわち「顧客・課題・ソリューション」という3つの要素しかありません。

この「顧客」「課題」「解決法」という3つの組み合わせが正しいか、すなわち顧客が課題を本当に抱えていて、解決策がその課題に対して最も効果的なものになっているかをジャベリンボードを使って検証します。

そして、間違っている部分があれば、ピボット(方向修正)してまた検証を繰り返していくのです。

ジャベリンボードの書き出し方

まず最初にサービスの「顧客・課題・解決法」をチームでブレインストーミング(ブレスト)して、しっかりと定義します。

ブレインストーミング(brainstorming)とは、数名毎のチーム内で1つのテーマに対し、お互いに意見を出し合う事で沢山のアイディアを生産し問題の解決に結び付ける創造性開発技法の事をいいます。

1 カスタマーは誰なのか?

まずはカスタマーの仮説を立てます。

既にペルソナ像を作っているので、それをベースにカスタマーについて改めてブレストしていきます。

そこで出てきた要素をジャベリンボードに記入していきます。

例えばワンピースブランドと言っても、OLなのか?専業主婦なのか?20代なのか? 30代なのか?色々と考えられます。

その候補の中で「最もらしいカスタマーは誰なのか?」を選び、ボード右側の「実験1」の「カスタマー」欄に記入していきます。

2 課題は何か?

1で選んだカスタマーが抱えている課題は何か?をブレストします。

カスタマージャーニーを作っているはずなので、そこから導き出される「実験1」の「問題」欄に記入していきます。

3 ソリューションは何か?

カスタマーと課題を絞ったら、その課題を解決できる「最も有効と思われるソリューション」をブレスとして、ボードの右側に移していきます。

この時点では、ソリューションにどれほど妥当性があるかはそれほど重要ではありません。

ソリューションの内容については、この後の段階で磨き込んでいきます。

4 前提条件は何か?

カスタマーと課題とソリューション。

この3つの仮説を立てられたら、すぐに検証を始めるのではありません。

ジャベリンボードはカスタマーが抱える課題仮説が成り立つ前提条件を検討するために活用するツールです。

例えば、「ワンピースは画一的な使い方しか出来る商品しかない」という課題仮説であれば、実際にそういったワンピースはないのか?代替えされている商品はどの程度の物なのかを具体的に調べてみます。

それらは本当に満足できない物なのか?値段はどの程度で現在販売されているのか?

現状の代替え品を多くの人が購入しているのなら、カスタマーが困っているから作るという前提条件が崩れてしまいます。(つまり有効な代替え案があり、カスタマーは満足している状態)

よって「楽に着れるワンピースで様々なオケージョンに対応できるものがない」ということが検証すべき前提条件になります。

このように課題仮説が成り立つためには、様々な前提条件というものがあるはずです。

・調べても検索しきれない

・面倒だから、量販店で代替え品を購入している

・課題のようなワンピースは販売されていない

・あってもすごく高い

こうしたような前提条件を付箋に書き出したら、前提条件が崩れた時のインパクトの大小と、検証が必要か不要か(つまり前提条件は自明の事実かどうか)という2軸で付箋をマッピングしていきます。

その結果、「インパクトが大きくて、なおかつ検証が必要な」前提条件が抽出できるので、それをジャベリンボード上の「実験1」の列の4番目「最も不確かな前提条件」に貼ります。

こうして付箋を貼りだすことでメンバー全員が検証の進捗を理解できます。

5 検証方法・検証基準を決める

最後はステップ4で見つけ出した「前提条件」の検証方法と基準を決めます。

例えば、「ワンピースは画一的な使い方しか出来る商品しかない」というのであれば、様々なショッピングサイトやWEB検索だけでも莫大な情報が見つけられるはずです。

その際に検索エンジンや有名通販サイトなどを5分ほど検索しても出てこないのであれば、「販売されていない」もしくは「あっても見つけられない」という判断を基準として考えられます。

妥当性を検証するために、ターゲットユーザーからヒアリングするのもいいでしょう。

その様に、前提条件を見極める実験を何度も繰り返して、検証の精度を高めていきます。

 

つづく