日本のアパレルブランドが海外で通用しない理由を考えてみた。

こんにちはしゅんたろうです。

前回の記事で海外展開に関して、知っておきたい予備知識を書きました。

あなたのブランドの海外展開、ほんとに今しなきゃならないの?

実際の実務的な事を書こうと思ったんですけど、実際に、現場でいざ本腰で話を進めて行くと、必ず皆んなそろって、「難しい」「出来ないかも」と言います。

確かに過去にも多くのアパレル企業が海外進出にチャレンジしては撤退しています。

個人的にパッと思いつく限りで海外事業で収益化できている企業って、ユニクロ/MUJI/マッシュホールディングス/バロックジャパンリミテッドなんかがあります(上がり下がりはあるようにも感じますが)

コム・デ・ギャルソン、ヨージ・ヤマモト、イッセイミヤケのような国際的に著名なデザイナーズブランドでさえも、ビジネスとして海外事業は苦しくて、殆どの場合が国内事業で利益を出す構造だったりもします。

とはいえ、それほど規模の大きくないブランドでも成功している事例も多々あるので、どういうところに気をつけるといいのかを書いていきましょう。

その1 コンセプト不足

なんで日本のブランドはこんなにも海外で通用しないのでしょうか?

まずはブランドとしてのコンセプト不足があります。

国内では多くのアパレル企業が販売チャネル毎に依存したブランド作りを行っていて、消費者の価値観に立脚したブランドとしてのコンセプトの作りこみや、ブランドとしての個性の追求を怠っています。

市場が大きな中国やアメリカには、それこそ世界中からブランドが集まってきます。

その中で戦うためには、ターゲットセグメントを見据えたアプローチ・消費者起点のマーケティングは必須ですし、明確なコンセプトを伝える必要があります。

また現地チャネルへの展開ノウハウが不足していることもあり、多くのブランドは進出の基盤となる一号店を日系百貨店に出すか、地場のセレクトショップでのコーナー展開として始めることがほとんどです。

でも、地道かつ定期的なプロモーションを行えないのであれば、一号店はブランドのフラッグシップストアとして世界観を伝えるためにも、地場の優良チャネルへの出店や繁華街での路面店の進出を積極的に行うべきです。

一号店が成功しさえすれば、その後路面店のテナントオーナーや地場のセレクトショップ・百貨店などから自ずとオファーが舞い込みます。

その2 根気が足りない

前述した様に、国内ブランドの現状はチャネル展開・海外展開のノウハウ不足からも、安易なチャネルや中卸のような業者に流れてしまう傾向が強くて、なかなかうまく行かない事がほとんどです。

ただそれも当たり前といえば当たり前で、そんなに簡単に物事がなんでも上手く行くわけではありません。

国内事業でも難しいのに、ましてや海外展開となると、きっちりと市場分析を行なった上でも失敗はします。

そこですぐに諦めてしまう企業がほとんどです。

最近中国大陸で急成長している韓国のELANDも、実は長年中国で展開を続ける中で何度も何度も失敗しています。

そうして培ったチャネル展開ノウハウが今の成長の源泉となっていますし、日系企業であるユニクロ(ファーストリティリング)なんかも最初の進出は思う様にはいっていません。

諦めずにトライアンドエラーを繰り返しながら根気良く、地域に根ざしたビジネスはなんなのかと模索し続けることが海外展開の基本です。

その4 グローバルだからこそローカライズ

グローバルな展開といえば、最初に思いつくブランドのほとんどはラグジュアリーブランドですが、それらやコレクションブランドを除くブランドではまったく展開が違います。

ラグジュアリービジネスは根本的にグローバルビジネスを前提としている事に加えて、主要顧客である富裕層はボータレス化している事からも、ローカライズの必要性は薄く、富裕層に響かせる為には、普遍的な世界観やクリエイティブの構築が重要視されます。

一方で、その他のブランドにとっては、よりローカライズしたビジネスで無ければなりません。

例えば、日本ではこれだけのファストファッションブームですが、 ZARAやH&Mの日本での売上は、ユニクロを展開するファーストリテイリングの国内売上と比較すると1/10にも満たないです。

銀座界隈に林立していたファストファッションの旗艦店も相次いで撤退している様な状態です。

とはいえ、アメリカではGAPの存在が圧倒的に大きくて、ZARAは展開に苦戦もしています。

逆に欧州ではZARAやH&Mは好調で、GAPの存在感は薄いです。

先進国の欧州、日本、米国だけで比べても、ライフスタイルや価値観の差があり、服に対するニーズも全然違います。

だからこそ現地の消費者をメインターゲットとするようなブランドであればあるほど、基本的にローカライズしたビジネスでなければなりません。

その4 コンサルタントの言いなりになっている

現状、前述した様なラグジュアリーブランドとマストレンドのブランドの2 つが戦略的に混同されているケースが散見しています。

この原因は、とりあえず海外に展開できればなんでもいいと言う形で促すコンサルタントの存在があります。

トレンドやマス市場向けのブランドが、単純にブランド力を磨けば海外でも通用すると信じて、進出国に対する理解が甘いまま参入して失敗するケースがいつまでたってもなくなりません。

外部から雇ったセールスやコンサルティングのエージェントに言われるがままに行なっている例がほとんどです。

国内でさえも価値観が多様化している中で、国が違えば消費者セグメントの広がりや、価値観の違いが広がるのは当然です。

海外展開にあたって、国内で展開するのと同じように、消費者の価値観に対する訴求とそれを具現化するアプローチができれば、十分に通用はします。

「やっぱり感性が重要」「アパレルは結局人」といった声もある面では正しいかもしれませんが、必要以上に感性や人に頼っている部分が多いので、アプローチは定量・定性分析に基づく合理的な意思決定が今は重要です。

それらをコンサルタントがいちいち考える事はまずないですし、ここはブランド側がしっかりと主導して進めなければなりません。

最後に

自分が日本人という贔屓目はあるかもしれませんが、日本のファッションはクリエイティブや品質といった側面では非常に良いものが多いです。

しかし、現状の国内アパレル・ファッション業界は、頭打ちの国内市場の中で感性や根性に頼った消耗戦を繰り返していて、グローバル化には程遠い様な現状です。

国内市場が飽和する中で日系のアパレル企業が今後成長するためには、国内ファッション産業の輸出産業化は避けて通れません。

その成功確率を上げるためには、【ブランドを客観的にも主観的にも見つめ直す】【現地のマーケティングを怠らない】【トライアンドエラーを繰り返す】ということが大事なのではないでしょうか。

それではまた!!