ファッションでクロステックが進まないと感じる理由

先日Twitterでたまたま見かけた記事を読ませてもらったら、面白いなぁって思ったのと、ちょうど自分に先日あった事と重なったので、書いてみようかなっと。

参考記事:このままでは、ファッションはいっそう混沌としてむずかしくなる

僕自身これまでファッションブランドで生産・営業・MD・事業部長と携わってきましたし、現在でもファッションブランドでコンサルティングも行なっているので、アパレル業界に携わってはいます。

ですが、今ファッションテックの領域で起業しているので、今回はテック側の人間としてクロステックが進まないと思う理由を書いていきたいと思います。

価値観の違いを感じる事。

先日、ファッション関係者の集まる飲み会に参加した時のこと、久しぶりに会う方や昔の知り合いなんかもいて、割と最初は気分よかったのですが、「ところで今何やってるの?」と質問されたところから、一気に帰りたい度100%になってしまいました。

というのも、起こした会社の規模とか、取引先とかみたいな、”ビジネス”的な点ばかりを質問される事に加えて、「テックって何?」「アパレルやめたんだ」みたいな事を言われる始末。

具体的な数字やビジネス的な要素なんてのは僕にとっては副産物で、事業のユニークさやマーケットの可能性みたいなものが大事なのですが、彼らにはそんな事興味がありません。

逆に僕にとっては、どれだけ凄い数字をたたき出していても、ブランドや取組みに面白味がなければ、「だから何?よかったね!」って感じなのですが、彼らにとっては「どれだけ売れているか」「どこで取り扱われているか」みたいな事が大事なのです。

ビジネスと考えると、年商を増やして、利益率を上げて、事業規模を大きくするのは別に間違ったことでは無いのかもしれません。

だけど、それだけにこだわっていたり、その要素だけ切り取ってみると、ちっともクールではないです。

若い世代では「面白いことをしよう」「社会貢献となることをしよう」って価値観も多くなってきている様ですが、それでも自分たちの上司が先述したような価値観であれば、そんな価値観もしばらくすると変わってしまいます。

とりあえず反対してくるおじさん達

これは僕の偏見も完全に入ってしまいますし、アパレル業界に限らずかもしれませんが、サービスの営業やヒアリングをしていて思う事の一つで、シニア層の方が若い時の低賃金労働(苦労)をキャリアの後半で取り返したいという風に考えているんじゃないかと思ってしまう場面が多々あります。

定年まであと十数年とカウントダウンを待っている人たちにとって、今さらテックを導入されて働き方を変えられたり、新しい事を覚えなければならないなんていう徒労は迷惑としか思って無い様に感じます。

若い間散々働かされた分、のんびりと過ごしたいという風に考えてるんじゃないのって感じます。

一方で、若い世代が求めるのは労働環境の「改善」だったり、そんな既得権の「破壊」です。

彼らにサービスの説明をすると、多くの方が関心を示してくれます。

もちろん、応援してくれるシニア層の方もいますが、多くの場合は何かと理由をつけて俺は使わないといわれてしまいます。(もちろんサービスの質という部分もありますが)

ただ、相対的に考えると、ありとあらゆる「改革・改善」に頑強に反対することが、シニア層にとってはそもそも最大の利益だからこそ、クロステックが進まない理由なのかなという風に感じてしまいます。

極端な言い方をすると、問題が解決せず、それどころか悪化したほうが権力維持には好都合なので、「より良い環境」をつくるために実践的な努力をする人たちの足を引っ張っり、バッシングする人も中にはいます。

最後に

色々言いましたが、僕自身は10年以上ファッションの仕事をしていますし、斜陽的になってしまっていることに危機感を感じたので、ファッションテックという領域で起業もしました。

冒頭で紹介した記事にも書かれていた様な

アナログとデジタル、ファッションとテックは、もっとお互いに腹を割って交流し、分からないことは聞く・伝えるを繰り返し、ファッションの繁栄という共通の目的に対して協同すべきです。それをせずに、今後のファッションの発展・繁栄はないと思います。もっと言えば、それができないのなら、ファッションを良くしたいのではなくただファッションに携わっているという承認欲求を満たしたいだけではないでしょうか。

に加えて、領域の区別でない、先述した様な必ずしも繁栄を望んでいない、変化を望んでいないっていう価値観にもクロステックが進まない理由に個人的には感じます。

参考記事:このままでは、ファッションはいっそう混沌としてむずかしくなる