社会問題解決がブランディングのネクストトレンドだと思う。

こんにちは増田峻です。

今日は唐突にですが、ブランディングの話です。

大枠で考えられているブランドを構成する要素は3つです。

アパレルでよくいう、ヴィジュアルだとかスタイリングだとかっていうのは、それらを彩る要素であって、根本的なブランディングとは機能性・デザイン性・ストーリー性の3つと僕は考えています。

機能性とは、それがユーザーに何をもたらすのか、デザイン性とはそれがどれだけカッコいいのか、また使いやすいのか、そしてストーリー性とは、そのモノに一体どんなストーリーが隠れているのか。

バランスはそれぞれの製品やブランドによってまちまちですが、この3つがいくらかの形で合わさってその商品やブランドの価値になります。

これを前提として、この後の話を読み進めてください。

中でもストーリーが今後優位だと思う理由

今後は、この3つの要素の中でもストーリー性の性質に大きな変化が見られるような気がします。

それはただ興味を引くようなストーリーだけだと不十分で、そのストーリーが社会問題を解決しているかどうかまでも見られている様になると思います。

だからこそ、ストーリー性の重要性が他の2つを大きく上回る時代が来ると思うんです。

そこにはファッション業界のある問題が関係していて、それがサステイナビリティー(持続可能性)の欠如という部分だと思います。

サステイナブルな状態とは、簡単に言えば需要と供給がマッチしている状態ですが、ファッション業界は大きく2つの面でサステイナブルな仕組みが崩壊しています。

それが労働のサステイビリティーと環境のサステイナビリティーです。

労働のサステイナビリティーの欠如については、2013年にダッカで起こった死者が1,000人を超えたファッション業界最悪の事故がそれを象徴してます。

この事故の根本的な原因は、日本を含む、先進国の生み出した大量生産・大量消費というビジネスモデルが経済的弱者である供給側(生産国)に限度の超えた負荷を与えていたからだとおもいます。

次は環境のサステイナビリティーの欠如です。

よく食料廃棄やアパレルだと、動物愛護の問題ばかり取り上げられがちですが、ファッション業界は全産業の中で3番目に環境に悪い産業であるとされているのはご存知でしょうか。

衣服の製造には大量の水を消費する必要があります。

1つのジーンズを作るだけでも、通常の製法で作るとその量は3,800リットル以上(シャワー53回分)もの水が使われているそうです。

またThe World Bankは世界の20%の海洋汚染が衣服の染料によって引き起こされていると発表しました。

透明性という部分がフォーカスされている時代

先述した二つの様な事例は、実は国内ではほとんど知られていない事象です。

でも今まで見えなかった情報に対して、隠し通すことができない様になってきている現代で、それらはOPENになり、以前よりも多くの消費者がこのような社会問題に対して当事者意識や個人の考えを持ち始めています。

ちょっと話は逸れますが、SNSや掲示板みたいな匿名性のあるサービスも増えて、物事への探究心なのかわかんないですけど、内部告発的な動きや、匿名でのリークもなぜか賞賛されていたりすることからも、信憑性は高く思います。

またミレニアル世代からそれ以降の世代は「その会社のビジョンやミッションが自分と重なるかどうか」をモノを買う際の大きな判断軸にしているといいます。

問題意識が高い消費者に対して、社会問題を解決しているというストーリー性は機能性やデザイン性よりも重要性の高い項目として評価されることになっていくのも時間の問題じゃないのかなって思います。

サステイナビリティーによるブランディングの例

労働のサステイナビリティーがブランド構築の際に大きな役割を果たしているのが米ブランドEverlaneじゃないでしょうか。

“Radical Trasnparency : 徹底的な透明性”という信念のもと、原価だけではなく運送費や利益など、値段の内訳をすべて公開しています。

このような透明性の他、製品そのものの質や優れたマーケティングにより、Everlaneは今やアメリカにおいて最も人気のあるブランドの1つです。

先日サンフランシスコに店舗をオープンしたが、オープン日には店に入るだけでも2時間並ぶほどの大行列だったそうです。

オンライン上と取り扱っている商品はほとんど同じなのにもかかわらず、行列を作る老若男女達の存在が、Everlaneのブランド力を証明しているんじゃないでしょうか。

環境のサステイナビリティーに挑戦しているのはドイツのスポーツブランドのアディダスです。

海洋環境保護団体「Parley for the Oceans」協力のもと、海に廃棄されたプラスチックゴミを利用して作ったランニングシューズの販売を開始しました。

更に“Z.N.E ZERO DYE”と呼ばれる、染色をしない素材本来の風合いを生かした新商品を開発しています。

染色をしないことで、出来るだけ水資源を節約することが狙いだといいます。

これらの例に代表されるように、アディダスは自然環境に配慮した製品づくりを推進し、”サステイナビリティーカンパニー”としてのブランドを作りあげているのではないでしょうか。

まとめ

21世紀や22世紀において、これらのようなサステイナビリティーに対して強い問題意識を持った消費者の割合は今と比べられない程高くなると思います。

また機能性やデザイン性だけではいつか限界が来ます。

多くのラグジュアリーブランドの様にクリエイターを変えつつ、アイデンティティだけ残していくのであればやっていくことは可能かもしれません。

ラグジュアリーブランドでも先日のPRADAの様に、産業汚染された土地を取得し、再生する事を発表しました。

それらの事からも、社会問題を解決する、ストーリー性をもったブランドの方が、機能性やデザイン性よりも優位性を持っているんじゃないかと、僕は思います。

それではまた!!