そのインフルエンサーの起用、ちゃんと考えて見て。

こんにちは増田峻です。

今日はアパレルでも何かと話題のインフルエンサーについて話したいなぁと思います。

最近相談された話で、PR代理店に言われて10人ぐらいにお金払って告知してもらったよ!なんて事をいっているブランド様がいました。

個人的に手法としては有効な類だとは思うのですが、注意点があるので、その辺をシェアできればなぁって思います。

そもそもインフルエンサーって何?

インフルエンサー (英: influencer)は、世間に与える影響力が大きい行動を行う人物のこと。その様な人物の発信する情報を企業が活用して宣伝することをインフルエンサー・マーケティングと呼んでいる。

英語で”influencer“は、「影響者」を意味している。

ブログ利用者が急増した2007年頃から頻繁に使用される言葉になった。ブログ利用者の中には数千〜数万の読者を持つカリスマブロガーなどと呼ばれる人物が現れ、その人物が発信した情報が数十万人単位に広まり、大きな宣伝効果を持つようになった。そのことが、購買行動に影響を与えるようになった。2010年頃には、企業側がインフルエンサーを活用した宣伝、インフルエンサー・マーケティングに取り組むようになっていった。

出典:wikipedia

というのが、インフルエンサーの意味らしく、広告よりも口コミの方が顧客獲得単価が高いという認識が産業界に広まりました。

しかし、インフルエンサーはあくまで個人に過ぎず、その言動をスポンサーがコントロールするようなことができないため、インフルエンサーの不適切な言動によって製品のイメージに傷がつくこともあり、マーケティング手法としては諸刃の剣な側面もあります。

また、インフルエンサーとメーカーとの関係によってはステルスマーケティングとの線引きが難しい場合があることが、不信感につながってしまう場合もあります。

こんな実験が行われていたようです。

SNS上でのインフルエンサー・マーケティングを専門とする米メディアキックス(Mediakix)が発表した、ある実験がありました。

同社はこれまでインフルエンサーを起用したイベントの拡散などを行ってきましたが、「300ドル(約3万円)を払えば、誰でも一晩でお金を稼ぐインフルエンサーになれる?(How Anyone Can Get Paid To Be An Instagram Influencer With $300 or Less Overnight)」と題し、自社で偽のインフルエンサーを育て上げることができるのか、2カ月かけて実験をしました。

インスタグラム上のインフルエンサー市場は現在10億ドル(約1090億円)といわれ、2019年までに倍増するともいわれています。

好調な市場の一方で、一部のインフルエンサーはブランドスポンサーをつけるために、偽のフォロワーやコメント、『いいね』などのエンゲージメントをお金で買って、人工的にアカウントを育てているような人もいます。

この実験はそういったことが可能なのかを実証するとともに、まだまだフォロワーの少ないマイクロ・インフルエンサーにとっても非常に有用な結果を得られるはずだと語ったそうです。

どんな実験だったのか。

同社はまず、「ライフスタイルとファッションに対して感度の高いインスタモデル(lifestyle and fashion-centric Instagram model)」という架空の人物像のアカウント(@calibeachgirl310)を作成し、現地モデルを起用して1日で使用する数十枚の写真を撮りました。これでコンテンツはそろったわけです。

次に、写真を投稿してフォロワーを購入します。

怪しくならないよう、1日1000人ずつフォロワーを増やし、何の問題もなく1万5000フォロワーまで増やすことに成功します。

ちなみに、1000フォロワーで3〜8ドル(約327〜872円)だそう。結果として、2カ月と最低限の投資で5万人のフォロワーを獲得したといいます。

加えて、コメントや「いいね!」を購入します。

こちらは1コメントで12セント(約13円)、1000「いいね!」で4〜9ドル(約436〜981円)だったそうです。結果として、どの写真にも平均2500「いいね!」、10〜50のコメントがそろいました。

ようやくフォロワーもエンゲージメントも増えたことで、マーケティング企業のインスタグラマーに登録をしたところ、なんと実際にスイムウエアを扱うブランドからオファーが来たそうです。

これは日本でも全然ある話。

この実験はアメリカでの話ですが、【フォロワーを買う】【いいねを買う】【コメントを買う】なんてのは日本でもよくある話です。

先述した同社は実験こそ成功したものの、「偽のインスタグラマーは業界の問題だ」と指摘をします。

「市場が拡大する一方で、インフルエンサー側ももうけようとさまざまな方策に打って出ている現状がある。ブランドや広告主は顧客にリーチするためにインフルエンサーを起用することも多いだろうが、詐欺アカウントを広告に起用して広告予算を無駄遣いしてしまうような状況だけは避けねばならない」と締めくくります。

そもそも一番大事なのは、売り上げ、コンバージョン率です。

芸能人でもインフルエンサーでも、コンバージョン率を上げないとモノが売れません。

ネットでの影響力といっても購買につながるような影響力がなければ、いくらフォロワーが多くても意味はないです。

3年ほど前に109系のブランドを手がけていた時には佐野まいちゃんがコンバージョンの高いインフルエンサーでした。

彼女は極端にフォロワーが多いわけではなかったのですが、ファンとの深度が深かったのか、毎回SNSなどの反響はとても強かったです。

最近だと、Babykiyちゃんなんかがすごく反響があると思います。

もちろん、これは彼女達のファン層に親和性のあるブランドでなければ効果はないのですが。

「この人も好きだけど、何よりこの人のセンスが好き!」という方向に持っていくことが、コンバージョンに繋がる施策だと思います。

可愛い!とかカッコいい!とかっていう感情でフォローしているだけの人が「これいいでしょ!」ってやっても、「うん、いいね」としかならないんですよね。

コンバージョン=それを持てば(使えば)この人みたいになれる!

ってモチベーションじゃないと上がって来ないって僕は思ってるんですよ。

ちなみに、あくまで参考だし、いちいち計算するのも大変ですが、

いいね数(+コメント数)/フォロワー数=エンゲージ・レート

エンゲージ・レートが10%以下だった場合、偽物ではないかもしれませんが影響力はありません。

5%以下の場合、90%偽物

3%以下の場合…99%偽物

なんて言われてます。

また計測する際は最新から2番目以前の記事を見るのがいいそうです。

最新の記事はまだ投稿が成熟していないことが多いそうなので。

最後に

ブランドとしては、消費者に近いインフルエンサーを起用することで、少しでも消費者の目線に合わせた提案をするねらいがあると思うのですが、実態の見えないウェブ上の広告において偽アカウントとつながってしまうことは、消費者との溝を作りかねないものです。

インフルエンサーマーケティングが過熱化する時代だからこそ、自社で起用するインフルエンサーの選定には細心の注意を払い、安心して依頼できるモデルを見つけることが重要ではないでしょうか。

インスタ映えなんて言葉が流行語を取り、そろそろ目新しさが薄れて、徐々に良質なものが要求されるようになってくるはずです。

インフルエンサーの市場自体も、もう少し細かく、バーティカルに分類されるようになっていくと思います。

フォロワー数の多さではなく、食品レビューが得意、サングラスに詳しい、ヘアメイクならこの人など、それぞれ細かく分けたジャンルでのアイコン的なインフルエンサーの需要が伸びてくるんじゃないでしょうか。

成功への近道はその道のプロに聞けって言います。

ビジュアルとしてカッコ良ければ売れるって時代からはよりリアルなところに消費の動向も変わってるので、目先の数字じゃなくて、よりリアルなところで仕掛けていこうね!っていう話でした。